はじめに|「推薦」と「総合型」は同じじゃない!
うちの子、大学に行きたいって言ってるけど……進路って、どうサポートしたらいいの?
そんな不安を抱える保護者の方、多いのではないでしょうか?
特に、親世代の多くは「大学に行かなくても就職できた時代だった」とか「推薦といえば、成績が優秀な子が学校内で選ばれるイメージ」という方も少なくありません。
しかし、現在の大学入試、特に「総合型選抜(旧AO入試)」は、当時の常識とは大きく異なる点が多くあります。
この記事では、保護者が知っておきたい「総合型選抜」の基礎知識と、そのメリット・デメリットについてわかりやすく解説していきます。
総合型選抜って何?
総合型選抜=大学が“人物重視”で選ぶ入試
総合型選抜とは、学力試験だけではなく「人柄」「意欲」「将来の目標」などを総合的に評価して合否を決める入試方式です。
かつては「AO入試」と呼ばれていましたが、2020年度から「総合型選抜」という名称に変更され、多くの大学で導入が進んでいます。
また、自己推薦のため、学校の評定などの出願条件がない大学や学部・学科が多いことも特徴の一つです。
大学入試ってどんな入試があるの?
比較項目 | 総合型選抜 (旧:AO入試) | 学校推薦型選抜 (旧:推薦入試) | 一般選抜 |
---|---|---|---|
出願条件 | 原則なし | あり ・評定平均など | なし |
評価の中心 | 面接、小論文、志望理由書、課外活動など | 面接、小論文、志望理由書、課外活動など | 学力試験(国語・数学・英語など) |
出願時期 | 9月~10月ごろ | 11月ごろ | 1月~2月ごろ |
結果発表 | 11月ごろ | 12月ごろ | 2月下旬~3月ごろ |
大きく分けると総合型選抜、学校推薦型選抜、一般選抜の3つがあります。
それぞれ特徴はありますが、私立大学を目指すのであれば、総合型選抜や学校推薦型選抜を受験しない手はないと思います。
総合型選抜って、昔の“推薦”と全然違うっちゃね〜。
それな!うちは面接とか志望理由書とか頑張れば、今のうちに進路決まるかもしれんけん、真剣に考えてみる!
総合型選抜のメリット
1. 早く進路が決まる
総合型選抜の最大の魅力の一つは「早期に進路が確定する」ことです。多くの大学では10月から11月に合否が発表されるため、一般選抜を待たずに進学先が決まります。
例えば、第一志望の大学に11月に合格できれば、年明け以降の学力試験対策は不要になります。そのぶん、子どもは高校生活を有意義に過ごすことができ、保護者にとっても大きなメリットがあります。
●保護者にとってのメリット
- 学費の準備を早めに始められる:
合格が早期にわかれば、入学金や授業料の納入時期も見通しやすく、教育ローンや奨学金申請などの手続きも余裕を持って進められます。 - 引っ越しや一人暮らしの準備がスムーズに:
遠方の大学に進学する場合、年末年始や春休みに良い物件が埋まってしまうこともあります。進路が早く決まれば、希望の物件を押さえるチャンスが増えます。
また、高校側にとっては進路実績が安定しやすく、大学側としても早期に定員を確保できるため、サポート体制が整っているケースが多いのも安心材料のひとつです。
「うちの子、あんまり勉強得意じゃないけど、何かに一生懸命だった…」そんな保護者こそ、総合型選抜の活用を検討してみてください。
2. 学力以外の強みが活かせる
たとえば、「勉強はあまり得意ではないけれど、3年間サッカー部でキャプテンを務めた」「地域の子ども食堂でボランティア活動を続けてきた」「人前で話すのが得意で、生徒会で全校集会の司会を任されていた」など、学力以外で頑張ってきた経験や個性が、総合型選抜では大きな武器になります。
子どもがこれまでに打ち込んできたこと、努力してきたことを、大学にしっかりアピールできる仕組みだからこそ、普段の成績だけでは評価されにくい力も正当に評価されるのです。
「うちの子、テストの点はそこまででも…でも、あの努力は本物だった」と思える経験があるなら、それこそが総合型選抜で活かすべき“強み”です。
合格早よ決まったら、受験勉強に追われんで済むんやね。
しかも、自分の得意なこと活かせるとか最高やん!なんか、うちにもチャンスある気がしてきた!
総合型選抜のデメリット
1. 準備に手間と時間がかかる
志望理由書、小論文、ポートフォリオなど、準備物が多く、時間と労力がかかります。計画的な行動が必要です。
2. 情報戦になる
大学ごとに求められる内容が異なり、「どのような学生を求めているか」が分かりにくい場合もあります。しっかりと情報収集を行うことが重要です。
3. 落ちた場合の備えが必要
不合格だった場合に備え、一般入試への準備も平行して進める必要があります。二重の準備が求められます。
準備が大変やけど、自分の将来のことやけん、ちゃんと向き合わんとね。
そやね!うちも今から少しずつ準備始めとこ。
こんな子に向いている!総合型選抜タイプ診断
◎向いている子の特徴
- 自分の意見を言葉で伝えるのが得意
- 学校外の活動や実績がある
- 将来やりたいことが明確
- コミュニケーション能力に自信がある
△向いていないかもしれない子
- 進路を何となく選んでいる
- 準備を後回しにしがち
- 自己分析が苦手または興味がない
ただし、向いていないと思っていても、サポート次第で大きく成長することもあります。だからこそ、保護者の関わりが重要なのです。
自己PRとか苦手やけど、うちにも何かアピールできることあるかもしれんね
あるある!得意なこと見つけて、それ伸ばしていけば大丈夫っちゃけん、諦めんで行こうばい!
保護者としてできること
- 一緒に志望理由を考える
- オープンキャンパスに同行する
- 面接練習に付き合う
- 大学や入試の情報を集める
- 子どもの話を「否定せずに」聞く
保護者にできることは、進路を決めてあげることではなく、「決めるためのサポートをすること」です。
いつの間にか保護者の方が熱中し、保護者主導の進路選びになっているご家族をよく見ます。
確かに、息子・娘に失敗して欲しくない、楽しんでほしいという思いから、熱中してしまう気持ちもわかりますが、あくまでサポートということを忘れないようにしましょう。
うちのお母さんも、進路のこと一緒に考えてくれたら心強いっちゃろうね〜
ほんとそれ!話をちゃんと聞いてくれるだけでも、安心するとよ!
まとめ|総合型選抜を知れば、親子の会話も変わる
総合型選抜は、ただの「楽な入試」ではありません。
子どもの「人となり」を評価してもらえる貴重な機会です。
そのためには、保護者もある程度の知識を持ち、理解しておくことが求められます。
焦らなくて大丈夫。迷っても大丈夫。
でも、子どもと一緒に考え、寄り添うこと。それが一番のサポートです。
受験するなら、やっぱり総合型選抜かな?
それな!まずは志望動機から考えることを始めようかね!